コーヒー土

コーヒー土とは、レギュラーコーヒーの出涸らしを混ぜた土のこと。
「栄養豊富」「虫除けになる」という理由で、植物を育てるのに良いという説が、ネット上にチラホラ見られます。
でも、チラホラしかないし……いいという理由はよくわからないし……むしろ「やってみたらカビた」などの失敗談のほうが目立つし。
どうもはっきりしないので、自分でやってみた。[2013.10.14]

  1. 大きめの鉢かプランターを、屋外の、キッチンから出やすい場所に置いておく。

    その中に1/3から半分程度、ふつうの土を入れておく。

  2. レギュラーコーヒーの出涸らしができたら、フィルターから出して1の土へ投入。よく混ぜる。

    面倒がらずに毎回混ぜるのがコツ。なにはなくとも数日に1回は混ぜましょう。
    おてんとうさんの下で、晴れが続けば渇くし、雨が降れば湿ります。それでいいです。

    注意:
    白いカビが、ときどき出ます。とくに、コーヒーが土とよく混ざらずに固まっていると、そこだけ、あっというまにカビます。
    カビが出たら、慌てず、コーヒー鉢全体に混ぜ込んでしまいましょう。
    カビた部分は固まっていることが多いです。ボリボリ砕いて混ぜましょう。
  3. 投入したコーヒーが増えるにつれて、「この鉢の中、コーヒー土っていうか、ほとんどコーヒーでは……」と感じるかも。

    そうしたら、細かいことは考えず、ふつうの土を投入。混ぜましょう。
    つまり、土とコーヒーの割合は、適当でいいのです。
    余っている鉢やプランターがあれば、さらにもう1段階、コーヒー土をふつうの土に混ぜ込んで熟成させる場所を作ってもいいかも。この土は思い立ったらすぐに使えるので、便利です。

  4. 熟成してきたら、一般の腐葉土のように、土に混ぜ込んで使ってみましょう。

    1〜2か月たつと、コーヒー土は黒々として、投入したレギュラーコーヒーの粒が見えにくくなる……ような、気が、します。
    混ぜるときの感触も、フワフワして、養分たっぷりの土らしくなってくる……ような、気が、します。
    そうなったら、使いどきだと思います。
    ここまでくれば、ひんぱんに混ぜ返さなくても、カビで固まったりはしません。


コーヒーの他にも……

  • お茶を飲んだら、お茶の出がらしも,コーヒー土の鉢に投入。
    茶葉を入れると、加速度的に土らしくなっていきます。オススメ。
  • 海苔などを買うとついてくる、石灰の乾燥剤が余ったら、それもコーヒー土に投入。よく混ぜます。
    有機物を分解しまくって酸性に傾いている鉢の中を、アルカリ方向へ戻してくれる……のではないか、と。
    白い粒が残ることがあるけれど、細かいことは気にしないでいきましょう。
  • 刈った雑草をまぜてもいいし。


実験

やってみた1:
実家からもらってきた土を、大きな鉢に入れて放っておいたら、その中がモスラのアパートのようになってしまったことがありました。
白くて大きなネキリムシが何匹もいて、グロい。触りたくない。
その鉢だけ置いて引っ越したくなりました。
そこで、その鉢の土全体にコーヒー土をまぜて、あとは何事もなかったかのように現実逃避すること、数日。
もういちど土をひっくりかえしてみると、モスラは全員、退去していたのです。
1匹1匹、殺さないですんでよかった……! (どこに引っ越したのかは、知らないけれど……)
……と、書いていたら、「成虫になって飛んでいったのでは?」という気もしてきました。どうなの!
やってみた2:
鉢の土の中に、1匹、おとなしげなネキリムシを発見。
そこで、その虫にうすく土をかぶせなおし、その上にコーヒーの出がらし(2杯ぶん)を乗せて、そこにまた土をかぶせておきました。
数日後、鉢の土をほりかえしてみると……。
そのネキリムシが、同じ場所で死んでいるのが見つかりました。
つまりこのネキリムシは、コーヒーから溶け出した成分が原因で死んだのではないかね。(ワトソンくんに話す風)
そうだっ、コーヒーには殺虫成分が含まれているんだよ、多分!
参考:
ネキリムシ(閲覧注意) うちのはもっと白いですが、たぶんこれ。


やってみて思った、コーヒー土のいいところ、イマイチなところ

  • コーヒーの出がらしを、ゴミ箱に捨てなくなるので、ゴミが減る。湿り気が減って軽くなる。
  • たぶん栄養豊富。なにしろ豆を砕いたものが元だから。
  • 土に混ぜておくと、虫除けになる
  • 小さな草花の種は、発芽率が低いような気がします。花の種まきには向かないのかも
  • 野菜や果物の種まきや、植え替えや挿し木に使うぶんには、問題なさそう。むしろ雑草の発芽を抑制するから、いいかもしれない……(要検証。うちのコーヒー土の鉢にも、雑草、多少は生えてます)。